停電の備えとしての発電機の重要性

ここでは災害発生に伴う停電が地域に与える影響やリスク、また発電機の準備など非常時の停電を想定した災害対策を解説しています。

地震・台風などの災害時に起こるライフラインへの影響

災害時に停電が起こる主な原因

地震や台風、大雪(雪害)といった災害が発生した際、瞬間的な停電から、状況によっては復旧まで長い時間を要する長期停電まで、様々な「停電」を伴うリスクがあります。

停電の復旧に必要な時間は災害の内容や規模、停電の原因などによって様々であり、それぞれのリスクに合わせた対策を考えなければなりません。

災害に伴う停電の原因としては、大きく送電網の被害と、給電施設の被害の2つが考えられます。

例えば送電網に関する原因としては、強い地震や台風によって電信柱が倒壊したり電線が断線したりして、発電所などから供給された電力が住宅や各施設へ届かないことが考えられます。一方、地震の規模によっては発電所の安全装置が作動して発電がストップしたり、いっそ給電施設そのものが破壊され電力の供給そのものが機能停止したりしてしまう可能性もあるでしょう。また想定外の降雪によって太陽光発電パネルが埋まってしまい、発電能力を失うといったケースも想定されます。

その他にも、地震や台風によって倒壊した家屋や樹木が周囲の電柱や電線に接触して停電を引き起こしたり、雪の重みで電気設備が破壊されて停電したりといった場合もあります。

停電が復旧するまでの平均時間は?

停電が復旧するまでの時間は、そもそもの原因や被害状況によって様々です。

例えば落雷や安全装置の作動による瞬間的な停電(瞬時停電・瞬停)であれば、ごく短時間で復旧します。また突発的な停電であっても、電力会社の自動復旧システムが正常に作動すれば、数分から長くとも数時間程度で復旧することも珍しくありません。

一方、地震や台風などの災害によって発生した停電の場合、事前の想定より長い時間を復旧に要する場合があります。

実際、2019年9月に千葉県などを襲った台風15号では関東全域で最大93万件の停電が発生し、過去の災害事例から想定されていた数日間で復旧可能という日数を大きく超過して、復旧までに19日間という期間を要しました。

参照元:電気新聞ウェブサイト|暴風の猛威は経験則を超えた――台風15号による停電復旧はなぜ長期化したのか(https://www.denkishimbun.com/sp/45514)

停電による生活面への影響

照明が使えず夜間の安全確保が難しくなる

停電によって屋内の照明装置や道路などにある外灯が使用できなくなれば、日没後の明るさを維持できなくなり、人々の様々な活動が困難になります。また代わりの光源として火を使用した場合、火災のリスクが高まることも問題です。

停電に連動して起こる断水

水道の使用に関して、特にマンションやオフィスビルなど揚水ポンプを電気で動かして水を供給している施設では、停電によってポンプが停止すれば必然的に断水が発生します。また戸建て住宅でも給水システムによっては断水が起こり、飲料水の確保ができなくなる他、トイレや風呂といった衛生施設も使用できません。

冷蔵庫の停止で食料が傷む

冷蔵庫や冷凍庫が使用できなくなることで、庫内にある食料品が腐りやすくなります。また、腐敗した果物や食べ物からガスが発生し、さらに他の食品の腐敗を促進しやすくなる悪循環も問題です。

冷暖房の停止で熱中症・低体温のリスク

夏場や冬場など、空調機器による室温調節などが必要な季節に停電すると、暑さによる熱中症や寒さによる低体温症といった健康被害のリスクが高まります。特に夏場に水道の停止と重なればいよいよ生命の危機が生じることも少なくありません。

スマートフォンの充電切れで情報や連絡が途絶える

スマートフォンやタブレットの充電が切れてしまい、情報インフラが失われてしまうことも問題です。また情報デバイスが停止すると自分から電話やメッセージなどを発信できなくなるため、万が一のSOSを伝えられなくなることも重大な問題です。

医療機器・在宅介護への影響

自宅で医療機器や介護機器などを使用している人の場合、停電によってそれらの機器が停止すれば生命の危機へ直結することもあります。また命に直接的な影響はなくても、機器が止まることで生活が困難になることは少なくありません。

加えて、介護機器や補助器具を使用できなくなれば、要介護者や患者だけでなく、周囲で支える人々の負担も増大します。

停電による事業活動への影響

PC・サーバー・ネット回線の停止で業務が止まる

事業所や店舗が停電すれば、まずパソコンや業務機器が動作しなくなります。また大規模停電によって周辺のサーバーやインターネット回線が停止すれば、情報インフラそのものが機能しなくなり、業務を含めて様々なことが行えなくなることも珍しくありません。

その他にも業務として電気機器や電子システムを必要とする作業が停止することはもちろん、照明装置や空調機器が停止することで間接的に店舗などの営業が行えなくなることもあります。

安否確認・被害把握が遅れ、初動対応に支障が出る

病院やクリニックといった医療施設や介護施設、幼保関連施設といった業種や業界については、停電による影響が人命救助や安全維持に直接的な弊害として現れるケースも想定されるでしょう。また、患者や幼児の家族や保護者と連絡がつかずに対応困難となることも少なくありません。

加えて、複数の社員や事業所を抱える企業においても、停電や情報インフラの喪失によって従業員の安否確認や状況把握ができなくなり、初動対応の遅れや不足が起こるリスクはあります。

復旧時の機器破損リスク

停電状態から電力が復旧した際、電気機器やシステムのスイッチが強制的にONになることで不具合や機器の破損、火災などの問題が生じるリスクもあります。特に地震などで機器が倒壊しているような場合は注意が必要です。

業種別の影響について

停電による業種別の影響やリスクについて一例を紹介します。

停電リスクに備えるための対策

家庭でできる備え

停電リスクへの備えとして、日常的に家庭で行えるものとしては、普段からペットボトルなどへ水を溜めておく貯水習慣を生活に取り入れたり、常温保存が可能な災害用の食品や備蓄食料などを用意しておいたりといった行動が考えられます。また内蔵バッテリーに電力を蓄電する無停電電源装置(UPS)を用意しておけば、停電が発生しても数時間程度はそのまま電気機器を使用できる可能性があります。

なお、数時間や数日で復旧できない長期停電に備える場合、太陽光で発電できる家庭用太陽光発電装置や、ガソリンや灯油などの各種燃料で発電できる家庭用発電機、また発電した電力を蓄えておける家庭用蓄電池を用意しておくことも有効です。

ただし、太陽光発電装置は太陽の光がなければ発電できず、燃料を使用する発電機については燃料保管や発電機使用時の注意点などもあるため、事前にしっかりと停電リスクの内容を把握した上でライフスタイルに合わせた対策を考えることが大切です。

企業のBCP(事業継続計画)対策と非常用発電機

現代日本において、企業の事業計画を策定する上で停電など非常時の備えを盛り込むことは、企業の社会的責任として重要なだけでなく、法的義務として定められていることもあります。実際、特に人命に直接関与する業種や、人の健康・安全に関わる仕事、不特定多数の人々が出入りする施設などについては、災害発生時や停電発生時の安全対策やリスク管理もBCP(事業継続計画)の一環として十分に考えることが必要です。

BCPにおける非常時対策や災害対策には様々な種類や手段がありますが、例えば非常用発電機の導入も具体的な施策として有用です。なお、施設として「延べ床面積1,000㎡以上」の規模を有し特定防火対象物に指定される建築物などについては、消防法によって非常電源の設置が義務づけられており、法的義務として非常用発電機の設置や適切な管理を実施しなければなりません。

なお、非常用発電機や非常用電源として認められる機器についても法的な制限や規定があるため、実際のBCPを考える際は必ず専門家へ相談してください。

参照元:総務省消防庁「消防法における自家発電設備の位置付け」【pdf】(https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/suisin/items/h30_betten04.pdf)

まとめ

災害発生に伴って停電が起きた場合、状況によっては早期の復旧が見込めず、長期にわたって生活インフラや情報インフラが機能停止状態になることも想定されます。また停電による悪影響は事業の継続や将来の信頼性にも大きく関わってくる問題であり、業種や規模によっては法的義務として非常用発電機の導入などの対策が求められることもあります。

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