介護施設の災害用発電機導入事例
ここでは、介護施設における災害用発電機の導入事例をご紹介します。介護施設に必要な災害用発電機についても解説しているので、導入を検討している施設の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事はこんな方に
おすすめ
- 介護施設へ災害用発電機の導入を検討している
- 介護施設に必要な災害用発電機について知りたい
- 介護施設への災害用発電機導入事例について知りたい
介護施設に必要な災害用発電機とは?
長時間稼働でき、燃料が劣化しないLPガス発電機がおすすめ
2021年の介護報酬改定により、介護施設には事業継続計画(BCP)の策定が義務づけられました。2024年3月末までに、すべての介護施設は事業継続計画(BCP)を策定しなくてはなりません。
停電対策は、BCP対策の第一歩です。介護施設で停電が発生すると、入居者やスタッフに不安が広がります。さらに長期化した場合、介護施設のトイレや空調、喀痰吸引機、ナースコール、夜間徘徊対応センサー、その他の医療機器などが使用できず、入居者が体調を崩したり、死亡してしまったりするかもしれません。
また、エレベーターやリフト、緊急連絡手段が使用できなければ、人や物の移動、避難もままならないでしょう。このため、介護施設にはいざという時も電気を確保できる災害用発電機が必要なのです。
中でもおすすめは、LPガス発電機です。ディーゼル発電機よりも長時間の稼働が可能な上、燃料が劣化しにくいため、定期的な入替などを行う必要がありません。
介護施設に補助金は使える?
補助対象となる設置先の施設
①災害発生時に避難所まで避難することが困難なものが生じる施設 | 医療施設、福祉施設(老人ホーム)等 ※1 |
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②公的避難所(地方公共団体が災害時に避難所として指定した施設) | 自治体庁舎、公立学校、公民館、体育館 等 ※2 |
③地方公共団体が認知した一時避難所となりえる施設 | 商業施設、宿泊施設、事務所、工場 等 |
LPガス発電機なら補助金が
交付される
介護施設のBCP対策について、政府は介護・福祉施設が非常用電源を導入する際の補助金制度を設けています。
例えば、経済産業省が行っている「石油ガス災害バルク等の導入事業費補助金」では、避難所までの避難が難しい人が大勢いる医療施設・福祉施設、公的避難所、一時避難所となりうるような施設について、補助対象経費の1/2以内、中小企業に該当する場合は2/3以内を交付しています(最高上限額は5,000万円)。
注意したいのは、対象となるのが、最低でも3日間稼働できるLPガス発電機のみである点です。ディーゼル発電機やポータブル発電機は対象にならないので気をつけましょう。
他にも、国の制度や各自治体独自の制度など、さまざまな補助金があるため、利用できるかどうかチェックしてみてください。
介護施設における
LPガス発電機の導入事例
ここでは補助金対象の72時間以上(3日間)の連続稼働が可能なLPガス発電機を提供しているメーカーの昭栄・GENERAC・Denyoの介護施設での導入事例を紹介します。
【選定条件】
「LPガス発電機 メーカー」とGoogle検索して上位表示される企業のうち、
72時間以上(3日間)の連続稼働が可能と公式HP上に表記し、介護施設の導入事例を掲載しているメーカーをピックアップしました。
※2024年2月26日調査時点
昭栄
社会福祉法人淑徳福祉会 淑徳共生苑
千葉県千葉市にある淑徳共生苑は特別養護老人ホームであり、ショートステイ・デイサービス、認知症対応型デイサービスなども提供する社会福祉法人。淑徳共生苑では国や千葉市の補助金を活用して、非常用LPガス発電設備を診療所の駐車場奥に設置しました。
停電時も3日間は機能維持を図り、入居者様、職員の安全確保を可能にし、停電時にもエレベーターが動き、厨房から通常通り食事提供も可能とし最低限の安心安全は確保できるようになりました。
GENERAC
社会福祉法人 北桑会 高齢者総合福祉施設 豊和園
京都府京都市にある豊和園では、災害対策・BCP対策としてGENERAC社製の非常用ガス発電機「インダストリアル」を導入しました。
同施設がある京北町は、冬場の降雪が多いため、施設では雪の重みで電線が緩み、停電が多発していました。そこで、日常的な停電はもちろん、災害時にも入居者や職員のライフラインを守るために発電機を設置。停電時は照明、空調、コンセント、厨房調理機器、事務所のバックアップ、給水ポンプなどに使用する予定です。
Denyo
介護施設(名称不明)
介護施設に、LPガス一般停電用予備発電機「LEG-54UST」を設置しました。2台並列し、500kgの燃料を貯蔵。停電から送電まで全自動&40秒で送電できる上、自動保守運転で、発電機を適切な状態に保つことができます。
稼働音も1m-58/61dB以下(50/60Hz)と小さく安心して使うことが可能です。停電時には、給水ポンプ、ELV、電話交換機、構内 LAN、インターネット回線、ナースコール、PCなどに使用する予定です。
その他の介護施設の
災害用発電機導入事例
災害用発電機は、他にもさまざまな介護施設で導入されています。
稼働時間が長く自動的に起動する発電機を導入
一般棟60床、認知症専門棟40棟、計100名の受け入れが可能な介護老人保健施設。これまではディーゼル発電機を設置していましたが、稼働時間はわずか4時間と短く、もっと長時間稼働する発電機が必要だと考えていました。
また、災害時は入居者の安全確保などの対応で介護職員が手一杯となり、発電機のスイッチを入れる作業も負担になることから、連続稼働時間が長く、かつ停電時に自動起動する発電機を導入しました。
燃費が良く72時間以上の稼働が可能で、停電を自動検知して約40秒以内に発電機が自動的に起動するシステムを搭載した発電機は小型で軽量、稼働の際の音と振動が小さいため入所者が居住する2階エリアにも設置することができます。この発電機を2台導入することで6000Wの電気を120時間連続で供給できる施設になりました。
市の福祉避難所としての社会的使命を果たすため体制を強化
約100名の入居者を抱えつつ、市の福祉避難所に認定され災害時には地域高齢者を受け入れる役目を担った長野県松本市の介護老人福祉施設。施設の建設から約20年が経ち各種機器も老朽化していたため、補助金を活用して機器の一新を検討していました。
地域と高齢者を守るために、災害時でも煮炊きや空調完備ができるよう災害バルク貯槽、GHP、投光器を取り入れ、合わせてバックアップ電源を確保するためのLPガス自家発電機も導入。
市の福祉避難所としての社会的使命を果たすべく、今後も施設の強靭化を図り、災害時にも地域と高齢者から頼られる施設を目指しています。
災害時でも3日間の電力供給が
可能に
精神科病院を中心に、医療、福祉、介護分野の事業を行っている社会医療法人が運営する、山形県南陽市の介護老人保健施設。
2013年、2014年と続けて近くの一級河川の吉野川が氾濫した際、施設は水害の被害を免れたものの、市内では被害が発生しました。雪が多い地域でもあるため自然災害への備えが常に必要であること、施設の更新時期でもあったこと、市の福祉施設にも指定されていたことなどから、災害バルク設備導入を決断したそうです。
LPGバルク、GHPによる空調設備、非常用発電機を導入することで、災害時でも3日間程度の電力を供給することが可能に。災害時のエネルギーを確保することができました。
いざというときに使える
災害用LPガス発電機
メーカー3選
補助金助成の条件である「連続稼働が72時間(3日間)以上」(※)のLPガス発電機を提供している、LPガス発電機メーカーを厳選。導入する施設ごとに、おすすめの会社をご紹介します。
- 医療・介護施設
に導入するなら - 大規模商業施設
に導入するなら - 宿泊施設
に導入するなら
に導入するなら
時間が一番短い※2
に導入するなら
一番大きい※2
に導入するなら
LPガス発電機
【選定条件】
2024年2月26日調査時点「LPガス発電機 メーカー」とGoogle検索して上位表示される企業のうち、72時間以上(3日間)の連続稼働が可能と公式HP上に表記し、
導入事例を掲載しているメーカーをピックアップ。 そのなかで、公式HPで確認できる情報を基に以下の要望別で各社を選定しました。
■医療・介護施設に導入するなら=昭栄
調査した中で停電検知からの起動時間~起動から電力供給までの時間が一番短かったため※参照元:昭栄公式HP(https://www.shoei2000.co.jp/about.html)
■大規模商業施設に導入するなら=GENERAC
kVA(提供可能電力)が調査したなかで最長だったため
※参照元:GENERACHP(https://generac.jp/product/guardian-series/)
■宿泊施設に導入するなら=Denyo(騒音値が調査したなかで最も低かったため)
※参照元:Denyo公式HP【PDF】(https://www.denyo.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/legpower-1.pdf)
※1.2024年2月26日調査時点
※2.本メディアの調査企業21社の内。