1回限りではなく繰り返し使用できる蓄電池は、家庭用から産業用まで用途に応じてさまざまな容量・種類があります。太陽光発電と組み合わせて使用されるケースも多いようです。産業用電池のメリット、デメリットを踏まえつつ、災害時に使用できるか否かについてまとめています。
蓄電池とは、電気を溜めて何度でも繰り返し使うことができる電池のことです。
蓄電池には家庭用と産業用があります。家庭用は容量が10kWh以下で3,500サイクル、寿命は10~15年くらいというのが一般的ですが、産業の蓄電池は容量が十数kWh~20kWh、8,000サイクル以上を超えるものもあり、寿命はサイクル数に比例して長くなります。
リチウムイオン電池やニッケル水素電池、NAS電池、鉛蓄電池などさまざまな種類がありますが、おもに産業用蓄電池で用いられているのはNAS電池です。大容量、高エネルギー密度、長寿命といった特徴があり、長期間、安定した電力供給が可能です。
蓄電池は太陽光発電と組み合わせることで、災害時の非常用電源として活用することができます。
蓄電池があると、災害時などで停電が起こった場合でも蓄電池に溜めておいた電力を使用することができます。太陽光発電と併用することで、昼間発電した太陽光の電力を発電できない夜間に使用できるので、電気代の節電にもなります。
また蓄電池があることで、電力の消費量の多いピーク時(13~16時)を避けて電気を使用することができるので、電気料金を抑えることができ、電力使用のピークの山をなくして平準化することで省エネにも貢献することができるといわれています。
蓄電池の一番のデメリットが、設置コストがかかるという点です。家庭用の10kWh以下の蓄電池であっても、100~250万円ほどの費用がかかり、産業用のものになると数百万から1,000万円を超えるものもあります。
また蓄電池は半永久的に使用できるものではなく、繰り返し使用していくうちに劣化していきます。使用環境や使い方によっては、劣化が早まる場合もあるので注意が必要です。
産業用蓄電池を設置するためには2m以上のスペースが必要となり、100kg以上の重量に耐えられるコンクリートの床に設置しなければなりません。また、熱が発生するため風通しのいい場所に設置する必要があり、排熱のための通気経路や設備が必要になります。
蓄電池は充電されていればいつでも使用することができるので、災害時や停電時などの非常用電源として活用することができます。
しかし、大容量の産業用蓄電池は導入コストが高く、設置場所などの問題もあります。そこで災害用・非常用発電機と併用することで、コストを抑えつつ長期間の電力供給を可能にできると考えられています。
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