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避難所の災害用発電機導入事例

ここでは、避難所における災害用発電機の導入事例をご紹介します。避難所に必要な災害用発電機についても解説しているので、導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

この記事はこんな方に
おすすめ

目次

避難所に必要な災害用発電機とは?

避難所

72時間稼働が可能なLPガス発電機がおすすめ

災害時や停電時に、高齢者や子どもたち、配慮の必要な方など、さまざまな人が集まる避難所。避難所では、空調設備、照明、非常用コンセント、水回りの給排水ポンプ、冷蔵庫、本部運営をするための設備などに電気が必要です。不自由な避難所生活でも、普段通り電気が使えれば、避難所生活のストレスも軽減できるでしょう。

災害用発電機を選ぶ際は、避難所の収容人数と必要な電力量を見極めることが大切。電気製品の中には、消費電力と起動電力が異なるものがあるので注意が必要です。

おすすめはLPガス発電機です。LPガスなら、ディーゼル発電機よりも長時間の稼働が可能な上、燃料が劣化しにくいため、定期的な入替などを行う必要がありません。大規模な避難所でも、コストや手間を抑えて万が一に備えることが可能です。

避難所に補助金は使える?

補助対象となる設置先の施設

①災害発生時に避難所まで避難することが困難なものが生じる施設医療施設、福祉施設(老人ホーム)等 ※1
②公的避難所(地方公共団体が災害時に避難所として指定した施設)自治体庁舎、公立学校、公民館、体育館 等 ※2
③地方公共団体が認知した一時避難所となりえる施設商業施設、宿泊施設、事務所、工場 等

参照元:LPガス災害バルク等申請ガイドブック(PDF)(https://saigaibulk.net/pdf/2023_guidebook02.pdf)

※1 ただし、医療施設のうち、災害拠点病院、災害拠点精神科病院、へき地医療拠点病院、へき地診療所、救命救急センター、周産期母子医療センターは除く。

※2 ②または③の場合、その設置先となる市区町村が国土強靭化地域計画を策定済みであること、もしくは大規模地震対策特別措置法第三条の規定による 地震防火対策強化地域に指定されていることが要件となります。

政府は、災害発生時にもインフラを維持できるよう、非常用電源の導入を推進しています。

例えば、経済産業省が行っている「石油ガス災害バルク等の導入事業費補助金」では、避難所までの避難が難しい人が大勢いる公的避難所、一時避難所となりうるような施設について、補助対象経費の1/2以内、中小企業に該当する場合は2/3以内を交付しています(最高上限額は5,000万円)。

注意したいのは、対象となる設備が、最低でも3日間稼働できるLPガス発電機のみである点です。ディーゼル発電機やポータブル発電機は対象にならないので気をつけましょう。

他にも、国の制度や各自治体独自の制度など、さまざまな補助金があるため、利用できるかどうかチェックしてみてください。

※参照元:LPガス災害バルク等申請ガイドブック(PDF)(https://saigaibulk.net/pdf/2023_guidebook02.pdf)

避難所における
LPガス発電機の導入事例

ここでは補助金対象の72時間以上(3日間)の連続稼働が可能なLPガス発電機を提供している昭栄・GENERAC・Denyoの避難所での導入事例を紹介します。

昭栄は500台以上の出荷台数という「実績」、GENERACは3年間の無料保証期間という「保証」、Denyoは換気扇レベルの56dbと「低騒音」という強みを持っています。 こうした強みを持つ3社の事例を見ていきましょう。

【選定条件】
「LPガス発電機 メーカー」とGoogle検索して上位表示される企業のうち、
72時間以上(3日間)の連続稼働が可能と公式HP上に表記し、導入事例を掲載しているメーカーをピックアップ。
そのなかで、公式HPで確認できる情報を基に以下の要望別で各社を選定しました。
・実績=昭栄(出荷台数が調査したなかで最多だったため)
・保証=GENERAC(無料保証期間が調査したなかで最長だったため)
・低騒音=Denyo(騒音値が調査したなかで最も低かったため)
2024年2月26日調査時点

昭栄

昭栄 引用元:昭栄公式HP
https://www.shoei2000.co.jp/example.html

静岡県藤枝市 瀬戸谷総合管理センター

約400人を収容できる「ふれあいイベントホール」をはじめ、学習室や調理実習室、会議室等を備えた、地域活性化団体の活動、中山間地域活性化推進事業、生涯学習の拠点施設です。

災害発生時には地域の防災拠点となるため、昭栄の非常用ガスエンジン発電装置「SGS-75K」を導入。水道、照明、空調等を確保し、道路寸断などで他所へ避難できない場合でも、籠城ができるようにしました。

参照元:昭栄公式HP(https://www.shoei2000.co.jp/example.html)

昭栄の
公式HPで事例を見る

GENERAC

GENERAC 引用元:GENERAC公式HP
https://generac.jp/

リサイクル工場

災害時に従業員の安全性を確保するため、GENERACガス発電機インダストリアルシリーズSG150(150㎾・LPガス仕様)を2台導入しました。

同社は、SDGSへの取組みの一つとして自治会・地域防災会と避難所協定を締結しており、災害時に停電が発生した場合は、本社の会議室や食堂・休憩室を一時避難所として提供する予定です。

参照元:EIKOH 公式HP(https://www.csr-support.com/news/generacガス発電機(リサイクル工場)/)

GENERACの
公式HPで事例を見る

Denyo

Denyo 引用元:Denyo公式HP
https://www.denyo.co.jp/

老人ホーム(避難所開放)

2018年9月の北海道胆振東部地震では、強い揺れにより、大規模な斜面崩壊が発生するなど大きな被害が発生しました。北海道全域で停電「ブラックアウト」が発生し、約11時間続いたことは記憶に新しいでしょう。

芦別市の老人ホームでは、すでにLPガス一般停電用予備発電機「LEG-54UST」を導入していたため、施設を避難所として開放。通電まで時間がかかる中、発電機のありがたさを実感したそうです。

参照元:Denyo「LPガス非常用発電機 研修会資料」(PDF)(http://www.tokyolpg.or.jp/images/report/20210323_report_1.pdf)

Denyoの
公式HPで事例を見る

その他の避難所の
災害用発電機導入事例

災害用発電機は、他にもさまざまな避難所で導入されています。

発電機の電気を炊き出しに使用

2016年に発生した熊本地震の際、個人で発電機を所有していた区長が、自宅近くの避難所に発電機を持参。

電気炊飯器と電気ポットに使用し、避難している人の各家庭から電気炊飯器を持参してもらい、一度に3台の炊飯器を使っておにぎりを作り、電気ポットでお湯を沸かしてカップラーメンを作るなど炊き出しを行いました。

発電機の電気を炊き出しに目いっぱい使用し、夕飯は早めに済ませた後、夜は投光器に使用しました。

参照元:ホンダ発電機公式サイト_停電の備えにHonda発電機_災害時における発電機活用事例_CASE.2(https://www.honda.co.jp/generator/bosai/case/02.html)

スマートフォンの充電や電動式車いすの充電に

熊本地震の際避難所となった小学校では、もともと台風時の停電に備えて区で購入していた発電機を使い、3日間の停電の中、おもに消費電力の激しいスマートフォンの充電に使用しました。

避難所には電動式車いすの人が避難していましたが、車いすのバッテリーの充電や、その人が自宅でトイレをする際に家に上がるためのリフト、電動ベッドを動かすためにも発電機を活用することができました。

参照元:ホンダ発電機公式サイト_停電の備えにHonda発電機_災害時における発電機活用事例_CASE.4(https://www.honda.co.jp/generator/bosai/case/04.html)

LPガスを配達してもらい3日間発電機を使用できた

熊本地震で停電が2日間、断水が3日間続いたエリアで、矢崎エナジーシステムは会社の駐車場を避難場所として開放。事務所に設置してあったLPガス発電機でテレビ、冷蔵庫、投光器、携帯電話などに給電しました。

ガス屋さんがLPガスを配送してくれたため、3日間ずっと発電できたそう。ボンベで燃料を運搬するLPガスは災害時でも燃料を確保しやすいことを実感しました。

参照元:ホンダ発電機公式サイト_停電の備えにHonda発電機_災害時における発電機活用事例_CASE.6(https://www.honda.co.jp/generator/bosai/case/06.html)

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補助金対象で、
いざというときに使える

災害用LPガス発電機
メーカー3選

補助金助成の条件である「連続稼働が72時間(3日間)以上」(※)のLPガス発電機を提供している、LPガス発電機メーカーを厳選。導入する施設ごとに、おすすめの会社をご紹介します。

参照元:LPガス災害バルク等申請ガイドブック(PDF)
(https://saigaibulk.net/pdf/2023_guidebook02.pdf)

  • 医療・介護施設
    に導入するなら
  • 大規模商業施設
    に導入するなら
  • 宿泊施設
    に導入するなら
医療・介護施設
に導入するなら
昭栄
昭栄公式HP
引用元:昭栄公式HP
http://www.shoei2000.co.jp/
停電検知~電力供給の
時間が一番短い※2
大規模商業施設
に導入するなら
GENERAC
GENERAC公式HP
引用元:GENERAC公式HP
https://generac.jp/
提供可能電力が
一番大きい※2
宿泊施設
に導入するなら
Denyo
Denyo公式HP
引用元:デンヨー公式HP
https://www.denyo.co.jp/
換気扇レベルの静音の
LPガス発電機

【選定条件】
2024年2月26日調査時点「LPガス発電機 メーカー」とGoogle検索して上位表示される企業のうち、72時間以上(3日間)の連続稼働が可能と公式HP上に表記し、
導入事例を掲載しているメーカーをピックアップ。 そのなかで、公式HPで確認できる情報を基に以下の要望別で各社を選定しました。
■医療・介護施設に導入するなら=昭栄
調査した中で停電検知からの起動時間~起動から電力供給までの時間が一番短かったため※参照元:昭栄公式HP(https://www.shoei2000.co.jp/about.html)
■大規模商業施設に導入するなら=GENERAC
kVA(提供可能電力)が調査したなかで最長だったため
※参照元:GENERACHP(https://generac.jp/product/guardian-series/)
■宿泊施設に導入するなら=Denyo(騒音値が調査したなかで最も低かったため)
※参照元:Denyo公式HP【PDF】(https://www.denyo.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/legpower-1.pdf)
※1.2024年2月26日調査時点
※2.本メディアの調査企業21社の内。