医療施設の災害用発電機導入事例
ここでは、医療施設における災害用発電機の導入事例をご紹介します。医療施設に必要な災害用発電機についても解説しているので、導入を検討している職員の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事はこんな方に
おすすめ
- 医療施設へ災害用発電機の導入を検討している方
- 医療施設に必要な災害用発電機について知りたい方
- 医療施設への災害用発電機導入事例について知りたい方
医療施設に必要な災害用発電機とは?
長時間稼働でき、燃料が劣化しないLPガス発電機が◎
医療施設では、電気が必要な機器を多数扱っています。例えば、医療機器。人工呼吸器、人工心肺装置、人工透析治療装置、麻酔器、分娩吸引器、出産用の呼吸器、心拍数モニターなどはすべて電動機器です。抗体医薬品やワクチンなどを保存する医薬品冷蔵庫にも電気は必要です。空調やエレベーター、診察のためのパソコンなども使えなくては困るでしょう。
災害用発電機は、病院の機能を維持するため、なくてはならない設備です。
そんな医療施設におすすめなのは、LPガス発電機。ディーゼル発電機よりも長時間の稼働が可能な上、燃料が劣化しにくいため、定期的な入替などを行う必要がありません。特に大量の燃料が必要な大規模施設では、コストや手間を抑えて万が一に備えることが可能です。
医療施設に補助金は使える?
政府は、介護・福祉施設が非常用電源を導入する際の補助金制度を設けています。
例えば、経済産業省が行っている「石油ガス災害バルク等の導入事業費補助金」では、避難所までの避難が難しい人が大勢いる医療施設・福祉施設、公的避難所、一時避難所となりうるような施設について、補助対象経費の1/2以内、中小企業に該当する場合は2/3以内を交付しています(最高上限額は5,000万円)。
注意したいのは、対象となる設備が、最低でも3日間稼働できるLPガス発電機のみである点です。ディーゼル発電機やポータブル発電機は対象にならないので気をつけましょう。
他にも、国の制度や各自治体独自の制度など、さまざまな補助金があるため、利用できるかどうかチェックしてみてください。
補助対象となる設置先の施設
①災害発生時に避難所まで避難することが困難なものが生じる施設 | 医療施設、福祉施設(老人ホーム)等 ※1 |
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②公的避難所(地方公共団体が災害時に避難所として指定した施設) | 自治体庁舎、公立学校、公民館、体育館 等 ※2 |
③地方公共団体が認知した一時避難所となりえる施設 | 商業施設、宿泊施設、事務所、工場 等 |
医療施設における
LPガス発電機の導入事例
ここでは補助金対象の72時間以上(3日間)の連続稼働が可能なLPガス発電機を提供しているメーカーの昭栄・GENERAC・Denyoの医療施設での導入事例を紹介します。
【選定条件】
「LPガス発電機 メーカー」とGoogle検索して上位表示される企業のうち、
72時間以上(3日間)の連続稼働が可能と公式HP上に表記し、医療施設の導入事例を掲載しているメーカーをピックアップしました。
※2024年2月26日調査時点
昭栄
医療法人永仁会 入間ハート病院
透析施設の継続(照明・空調・コンソール・給水ポンプ・ヒーター・透析装置等)を目的に導入。125K(三相発電機と2.9tバルクタンク)を設置することにより、通常時と変わりない透析治療が3日間できる対応を可能にしました。災害時でも患者様に安心し通院できる環境を整えました。
GENERAC
医療法人社団岡田会 山の辺病院
奈良県桜井市にあり、地域密着で救命・救急、急性期医療と回復リハビリテーション医療などを提供している山の辺病院。BCP対策として、GENERAC社製の非常用ガス発電機「インダストリアル」を導入しました。
常用発電機としても使える発電機で、LPガスは35~170kW、都市ガスなら35~1000kWまでの容量に対応。大容量の電力が必要な施設で多く導入されています。
Denyo
医療施設(施設名は不明)
医療施設に、LPガス一般停電用予備発電機「LEG-54UST」と非常用LPガス発電機専用供給ユニットを設置しました。停電から送電まで全自動&40秒で送電できる上、自動保守運転で、発電機を適切な状態に保つことが可能です。
停電時には、分娩室照明、分娩台、分娩監視装置、吸引機、インファント、保育器、光線治療器、ナースコール、電話交換機、冷凍冷蔵庫、ELV、上水増圧ポンプなどに使用する予定です。
その他の医療施設の
災害用発電機導入事例
災害用発電機は、他にもさまざまな医療施設で導入されています。
国の補助制度を活用して災害設備を導入
2005年に開院し、外科、内科の治療と人工透析治療を主に行っている福岡県糸島市のクリニック。自然災害などによりライフラインが寸断され、エネルギー供給が途絶えてしまうと治療に重大な支障をきたしてしまうため、国の補助制度を活用してLPバルク貯蔵、非常用発電機、GHP、炊き出し設備を導入しました。
設備を導入したことで、「停電などによって人工透析ができなくなったらどうしよう」という不安がなくなり、いざというときの安心感につながっています。
災害への対応がさらに強固になり安心感が増加
地域の医療・福祉・高齢者施設を担う総合医療施設として2020年に開院した総合医療病院。前身の病院でも、災害時には地域住民への施設の開放などを行っていましたが、数年前に市と協定を締結したことをきっかけに、災害発生時に市の要請に基づいて地域住民を受け入れる施設に位置付けられました。
前身の病院の建て替えにあたり、「通常時のみならず災害時の供給にも対応できる」と判断して、LPガス設備を導入。
もともと取り入れていた非常用自家発電機に加えてLPガス設備を導入したことで、災害への対応がさらに強固なものとなり、緊急時の備蓄としての安心感が増したそうです。
スタッフの防災意識も高まり光熱費も削減された
静岡県磐田市にある内科・人工透析・眼科専門のクリニック。2018年、暴風による停電のため、復旧までの間、透析病院としての機能が停止してしまいました。そこで、バルク貯槽(1t) 、非常用LPガス発電機(54kVA)× 2台、GHP(ガスエンジン・ヒートポンプ)×2台、投光器を導入。
患者さん達にも「安心して治療をできる」と好評な上、スタッフの防災意識が高まり、院内の防災委員会の開催数が増加したり防災訓練が積極的に行われたりするようになりました。冬場の暖房の立ち上がりも短縮。光熱費も前年比15%削減されました。
いざというときに使える
災害用LPガス発電機
メーカー3選
補助金助成の条件である「連続稼働が72時間(3日間)以上」(※)のLPガス発電機を提供している、LPガス発電機メーカーを厳選。導入する施設ごとに、おすすめの会社をご紹介します。
- 医療・介護施設
に導入するなら - 大規模商業施設
に導入するなら - 宿泊施設
に導入するなら
に導入するなら
時間が一番短い※2
に導入するなら
一番大きい※2
に導入するなら
LPガス発電機
【選定条件】
2024年2月26日調査時点「LPガス発電機 メーカー」とGoogle検索して上位表示される企業のうち、72時間以上(3日間)の連続稼働が可能と公式HP上に表記し、
導入事例を掲載しているメーカーをピックアップ。 そのなかで、公式HPで確認できる情報を基に以下の要望別で各社を選定しました。
■医療・介護施設に導入するなら=昭栄
調査した中で停電検知からの起動時間~起動から電力供給までの時間が一番短かったため※参照元:昭栄公式HP(https://www.shoei2000.co.jp/about.html)
■大規模商業施設に導入するなら=GENERAC
kVA(提供可能電力)が調査したなかで最長だったため
※参照元:GENERACHP(https://generac.jp/product/guardian-series/)
■宿泊施設に導入するなら=Denyo(騒音値が調査したなかで最も低かったため)
※参照元:Denyo公式HP【PDF】(https://www.denyo.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/legpower-1.pdf)
※1.2024年2月26日調査時点
※2.本メディアの調査企業21社の内。